別居したいがどのように別居を始めたらよいかわからない
目次
別居した方がよいケース
相手による暴力、モラハラ、経済的虐待があるケースでは、相手と一緒に住むこと自体が非常に精神的にストレスになり、心身のバランスを崩してしまうケースが少なくありません。その被害がお子さんにまで及んでいるケースではなおさらです。
相手と別居することで、平穏な日々を過ごすことができ、じっくりと今後のことを考えることができますので、今の環境が辛い方は、別居することが一つの重要な選択肢だと考えます。
また裁判上認められる離婚理由が十分にないケースでも、夫婦関係が破綻しているか判断する上で、別居期間がどのくらい長いか重視されます。
したがって、離婚したいが、婚姻関係が破綻した決定的な証拠等がないケースでは、まず別居をした方が、将来的に離婚が認められやすいといえます。
なお、これまで離婚の話し合いをしていたが話がつかず、弁護士を間に入れる場合も先に別居を進めた方がスムーズなケースが多いです。いくら法律家が間に入って相手を説得しようとしても、同居しているケースでは窓口を一本化することは難しく、説得が功を奏しないことがあります。
別居の準備
経済的に問題ないか確認
別居後にご自身の収入や家族の援助等で毎月どのくらいの収入が入り、どのくらい支出が予想されるかシミュレーションをしてみましょう。
婚姻費用を支払ってもらえるケースでは、どのくらい支払ってもらえそうか確認してみてください。話し合いで婚姻費用を払ってくれないことが予想される場合には、別居と同時に婚姻費用分担調停を提起しましょう。婚姻費用は、一般的に請求の意思を明確にした時点からしか支払い義務が生じないので、早めに準備をすることをお勧めします。
婚姻費用分担調停を提起してから、婚姻費用の金額が決まり支払われるまで数か月かかることが予想されるので、別居する際にある程度貯えがあった方が安心だと考えます。
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相手名義の財産を把握
将来的に離婚が予想されるケースでは、相手の財産に関する資料のコピーをとっておきましょう。預金や株式、積立保険等、相手名義の財産について携帯で写真をとるだけでもよいと思います。別居後に相手の財産がどこにあるか調査することは容易でないため、財産隠しをされてしまった場合には、損をしてしまうことがあります。
同居しているうちになるべく相手の財産について把握し、証拠を取っておくことをお勧めします。
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未成年のお子さんがいるケース
将来的に離婚する際に子どもの親権者を決める必要があります。経済的な不安や子どもの教育環境を変えないために、一旦子どもを置いて別居し、後日引き取ろうと考える方がいらっしゃいますが、一度子どもを置いていくと、相手が後で素直に子どもを渡してくれるとは限りませんので慎重な判断が必要になります。
子どもを連れて別居する場合には、転居先から通う新しい保育園、学校を調べておきましょう。子どもの世話について親族の援助を受けられるケースでは、事前に親族と連絡をとって協力を得た方がよいと思います。
児童手当について、相手が受給者になっている場合には、離婚する前であっても受給者をご自身に変えることができる場合がありますので、役所にご相談ください。特に離婚調停が提起されているケースでは、多くの自治体で離婚が成立していなくても受給者の変更を認めています。
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相手に別居を伝える
相手と話ができる状況であれば、別居の理由、婚姻費用、別居中の子どもとのかかわり方、今後のこと等について十分に話し合いをしましょう。相手と話をしても喧嘩になってしまう、無視をされてしまう、そもそも話すのは怖いというケースでは、先に別居を実行し、お手紙等でご自身の気持ちを伝えてもよいと思います。
別居後の具体的な交渉等については、弁護士に任せてもよいでしょう。いずれにしても、直接お話しする方法でなくても、別居に至ったご自身の心情や、今後相手に望むこと等をお手紙や弁護士を通じて相手に率直に伝えることが、今後の話し合いをスムーズに進めるために重要だと考えます。
別居をお考えの方は、弁護士にご相談ください。
別居前からご依頼いただいた場合には、別居に関するアドバイスをし、別居後の相手との交渉を全て弁護士が行います。別居の準備や新生活に慣れるために日々忙しい中、相手と連絡を取り合うことは精神的な負担が大きいと思いますので、弁護士ができる限りサポートをします。
婚姻費用分担調停や、離婚調停を起こす場合も書面作成から裁判所とのやりとりまで全て弁護士に任せることができるので、新しい環境で仕事や子育てに専念することができます。